セブ島のあるフィリピンは一般的にネット回線が遅く、ホテルや空港で利用できるWi-Fiが遅すぎて画像のアップロードや動画閲覧ができないケースがよくあります。
セブ島に留学する方にとっては、長期間滞在する場所で自由にネットが使えないのはとても困りますよね。
今回は、語学学校内も含めたフィリピン・セブ島のインターネット事情について詳しく解説し、日本で事前にできる準備についてお伝えしていきます。
セブ島のインターネットは遅いの？
セブ島を含むフィリピンは、一般的に日本に比べインターネット回線の速度が遅い傾向にあります。
固定回線、モバイルの回線ともに日本よりはスローであることを示すデータがあります。
Speedtest Global Indexでは、2024年4月最新のデータで以下のような結果となっています。
日本はモバイルの回線のランキングが低いのが特徴ですが、いずれにしても日本よりも平均的に通信の質が低いことは間違いありません。
要するに、現地でSIMカードを購入して行うスマートフォンの通信、そして特にWi-Fiなどの固定回線を利用する通信の速度において、日本とフィリピンでは大きな差があるのです。
特に日本は、固定回線においては世界17位(197.01Mbps)と優秀な通信速度を誇っており、この速度を基準にしてしまうと違いを感じざるを得ません。
初めて海外に出たという方は日本との違いに戸惑ってしまうかもしれませんが、このような違いもフィリピンの特徴のひとつだと思ってある程度受け入れていただければと思います。
セブ島の通信の実情
ここからは、セブ島で実際に留学生がインターネットに接続した際の実情についてお話ししていきます。
ホテルや空港での通信について
セブ島留学でマクタン空港に到着したときや、乗り継ぎでマニラのニノイ・アキノ空港に出たときなど、フィリピンの空港でインターネットに接続したい機会が多いと思いますが、空港のWi-Fiに関してはかなり速度が遅く接続も弱いです。
語学学校のピックアップを受ける際、学校スタッフとの緊急のやり取りでインターネットに接続したいことがあるかもしれませんが、マクタン空港のWi-Fiは場所によってほとんど繋がらないことがあります。
特に入国審査を終え、預け入れ荷物のターンテーブルのところまで出てくると、Wi-Fiはあまりあてになりません。
空港でWi-Fiを利用してインターネットに接続する場合は、入国審査の順番待ちの時に済ませておくのが良いでしょう。
セブ島のホテルのWi-Fiについては、ホテルのグレードによって大きく変わります。
グレードの高いホテルや、外国人観光客が多い外資系のリゾートホテルは通信関係がしっかり整備されており、LINEやメールでの連絡は問題なく行えます。
動画の閲覧などは少し時間がかかるかもしれませんが、なんとか見られる程度には十分使えるでしょう。
セブ島の語学学校内での通信について
セブ島の語学学校では、空港やホテルに比べて快適な通信設備が整っていることが多く、学校のWi-Fiは基本的に無料で使えることがほとんどです。
ただ、さすがに日本の学校や家のような速度では使えないので注意が必要です。
学校によって以下の３パターンに分かれるケースが多くなっています。
①学内、寮の部屋内全てWi-Fi利用可能
②学内と寮の共有スペースのみWi-Fi利用可能、部屋内はWi-Fiなし
③学内のみ利用可能
当たり前のようにどこでも使えるわけではなく、一部のエリアにしかWi-Fiルーターが設置されていないというケースも結構あります。
セブ島への留学中にオンラインミーティングを行ったりオンラインで授業を受けたりする場合は、申し込みをした語学学校のインターネット環境について留学エージェントに確認をしてもらいましょう。
参考までに、セブ島の語学学校でも最速クラスのインターネットが学内・寮内の全域で使えるようになっている3D ACADEMYの速度を測定しました。
大容量の動画の送受信や動画の4K視聴では一部時間がかかったりカクついたりすることがありますが、そのほかの操作では特に問題はありません。
実際に3D ACADEMYの寮内でYoutubeの動画を閲覧したりしてみましたが、全く問題なく利用ができました。
これくらいの速度がセブ島の語学学校の上限だと思いますので、仕事や勉強の都合でより速いインターネット環境が必要な場合は注意してください。
語学学校内でのモバイルの回線については、利用するSIMカードのキャリア(SMARTまたはGlobe)や学校がある地域によって異なります。
基本的には、次に紹介する街中での利用と同じものだと考えておきましょう。
街中でのモバイル回線の利用について
次にセブ島の街中でスマートフォンのモバイル回線を利用した接続を行った時の速度について見ていきます。
セブ島で留学生が利用するモバイル回線は基本的に現地で購入したSIMカードの通信キャリア回線となります。
セブ島は地域によって回線速度の差が激しいです。
こちらは、nPerfというサイトで公開されているセブ島の通信回線のマップです。サンプルとして、SMARTというキャリアのマップを出しました。
紫色になっているのが5G回線、赤とオレンジが4G回線です。
このように、セブ島はセブシティを中心に5G回線の整備が行われており、空港やリゾート系の語学学校の多いマクタン島は4G回線が主流となっています。
日本の都市と違い、そこまで離れていなくても急に回線が遅くなったり繋がらなくなったりすることが頻繁にあるので、お出かけされる際はインターネット回線で連絡が取れなくなるケースも頭に入れておいた方が良いでしょう。
セブ島ではどんな通信手段がある？
では、インターネットの利用手段としてセブ島ではどんな方法があるのか見てみましょう。
フリーWi-Fi
まず最も手軽なのが、空港やホテル、レストランなどで利用できるフリーWiFiです。
フリーなだけあって速度が遅く、セキュリティ面の脆弱性はありますが、緊急連絡やちょっとしたスマホの利用にはおすすめです。
フリーWi-Fiの使い方や使える場所の詳細については、次のトピックで紹介しています。
SIMカード
セブ島の留学生が最も利用しているのが、現地のSIMカードです。
SIMカードとは、日本ではスマートフォンを購入して通信契約を行うと勝手にスマートフォンに差し込んでおいてくれるものです。iPhoneの場合は、筐体の左側面に小さな穴が開いており、そこにピンを刺すとSIMカードのスロットが出てくるはずです。
日本にいるときは日本の通信キャリア(docomo、au、Softbank、楽天など)のSIMカードが入っていますが、セブ島に到着したら現地でプリペイドSIMという現地のSIMカードを購入し、それを差します。
セブ島の場合は主にSMARTまたはGlobeというキャリアのSIMカードを購入することになると思います。
差し込むだけでは使えませんので、別途通信プランを契約・購入し、プランで決められた容量(GB)の分だけ利用できるという仕組みです。
自分のスマートフォンを変えずに手軽にローカル通信に接続でき、費用も月200~500ペソと安いため、1ヶ月以上セブ島に滞在する留学生はまずSIMカードの購入を検討しましょう。
ちなみに、スマートフォンによってはSIMロックというものがかかっていて、SIMカードを入れ替えて使うことができない場合があります。
ご自身のスマホがSIMフリーのタイプかどうか、日本にいる間に必ず確認しましょう。
SIMカードの詳しい解説については、こちらの記事も参考にしてみてください。
Wi-Fiルーター
Wi-Fiルーターは欧米への短期留学などで主に、一昔前に主流として使われていた留学生の通信手段です。
日本のWi-Fiレンタル会社と契約して、レンタル用の小さなWi-Fiルーターを日本にいる間に借ります。
現地到着後、ルーターのスイッチを入れ、接続したいスマホやタブレット、PCの方で決まったパスワードを入力すれば、そのルーターが作り出すWi-Fiに接続できるというものです。
メリットとしてはSIMカードと違い、ルーター1台でいくつもの端末をインターネットに接続できる点です。
友人同士で留学に行ったり、スマホだけでなくタブレット端末やパソコンも同時にWi-Fiに接続したい場合に便利です。
デメリットとしてはルーターが通信端末の近くにある必要があるため、常に持ち歩かなければいけない点です。
レンタル品なので破損や紛失時には高額の弁償費用を取られるケースもあるので注意しましょう。
また、かかる費用としても月に数千円となり、SIMカードを購入した場合よりも高額になります。
フリーWi-Fiはどこでどうやって使う？
最後に、SIMカードやWi-Fiルーターがない場合に利用するフリーWi-Fiについて、留学生は利用する機会もあるかと思いますので解説をしておきます。
フリーWi-Fiが使える場所
セブ島でフリーWi-Fiが使える場所は、主に以下の場所になります。
・空港
・レストラン
・カフェ
・ホテル
・ショッピングモール
それ以外の場所ではフリーWi-Fiが利用できる場所は少ない印象です。一部、コワーキングスペースや有料のネットカフェなどでは、快適なインターネットの利用が可能です。
セブシティの街中でフリーWi-Fiの使える場所を探すなら、カフェのチェーン店が最も手っ取り早いです。
Bo’s CoffeeやStarbucks、The Coffee Bean & Tea Leafなどはセブ市内のいろいろなところにあるカフェのチェーンで、多くの店舗でフリーWi-Fiが利用できます。
ショッピングモールでも主要な場所ではフリーWi-Fiが利用できますが、接続人数によっては全く繋がらないことも。
フィリピン人はモバイル回線の契約をしていない人も多く、ここぞとばかりにみんなショッピングモールでWi-Fiに接続するので、特に週末はあまり期待しない方が良いでしょう。
フリーWi-Fiの使い方
フリーWi-Fiの使い方ですが、アクセスポイントを提供している店舗によって変わってきます。
例えば空港やショッピングモールであれば、パスワードなどは必要なく接続ができます。
ホテルの場合は、チェックイン時にSSIDとパスワードを記載した紙を渡されることが多いです。
レストランやカフェの場合は、店員にパスワードを聞かないと利用できないケースも多いので、商品を注文したらWi-Fiのパスワードを教えてもらうように伝えると良いでしょう。
アクセスする場所によっては1時間や2時間など、接続可能な時間が決まっていることもあるので注意してください。
フリーWi-Fi利用時の注意点
セブ島の無料のWi-Fi、特にパスワードがなく誰でもアクセスできるWi-Fiのネットワークは、セキュリティ上のリスクがある場合があります。
公共Wi-Fiは一般に暗号化されておらず、不正アクセスや盗聴のリスクが高まります。
特に銀行口座や個人情報にアクセスする場合は、個人のモバイルデータ通信を使用するなどのセキュリティ対策が必要です。
例えばカフェで公共Wi-Fiを使用して銀行口座にアクセスしようとした際、盗聴者によって個人情報が傍受され、不正アクセスされる可能性があります。これにより、個人の財産や情報が危険にさらされる可能性があるので十分注意が必要です。
セブ島でフリーWi-Fiを利用する際には、VPN（Virtual Private Network）を使用すると安全です。
VPNはデータの暗号化を行い、通信を保護するための有効な手段で、データの盗聴や不正アクセスから自分の情報を保護することができます。
まとめ
ここまで、セブ島のインターネット事情と利用手段について解説しました。
セブ島でスマートフォンを使う際、より良い通信環境を利用するにはいくつかの手段がありますが、単に無料の公共Wi-Fiを使い続けることにはデメリットもたくさんあります。
現地到着後は学校スタッフに質問しながら、自分のスタイルに合った通信方法を選べるようにしましょう。
