フィリピン英語は、その独特な訛りや発音で知られていますが、実際にどのような特徴があるのでしょうか?この記事では、フィリピン英語の歴史背景から発音の特徴、そして英語学習における利点について詳しく解説します。
フィリピン・フィリピン人は英語で?
フィリピン人が話す英語について語る前に、まず「フィリピン」と「フィリピン人」の表現をおさらいしましょう。
「フィリピン」は英語で [the Phillipines] と書きます。よく [the] や最後のsを付けていない表記を見かけますが、間違いなので注意しましょう。
the…sというのはthe…islandsという意味なので、 [the Philipine islands] が語源となっていると覚えておきましょう。
また「フィリピン人」は [Filipino] と書きます。
国名とは異なり、「フィ」はPhiではなくFiで書く形に変化しますので注意してください。
フィリピン英語の基本的な特徴
さてここからは、フィリピン人が話す英語、いわゆるフィリピン英語の特徴について解説します。
フィリピン英語の発音と訛り
フィリピン英語は、アメリカ英語やスペイン語に影響を受けた発音が特徴です。独特の訛りがあり、地域ごとに微妙な違いがあります。
このフィリピン英語の特徴的な発音として、以下のようなものが挙げられます。
【thの発音】
フィリピン英語では、thの発音がdやtに近くなる傾向があります。例えば、’think’は’tink’ (ティンク)、’that’は’dat’ (ダット)のように発音されることがあります。
【rの発音】
フィリピン英語では、rの発音が弱くなる傾向があります。特に、単語の最後に来るrは発音されない場合もあります。例えば、’car’は’ca’、’water’は’wata’のように発音されることがあります。
【sの発音】
フィリピン英語では、sの発音がshに近くなる傾向があります。例えば、’sister’は’shishter’のように発音されることがあります。
【イントネーション】
フィリピン英語では、イントネーションがアメリカ英語とは異なる場合があります。特に、疑問文のイントネーションは、アメリカ英語よりも上昇気味になる傾向があります。
フィリピンの公用語のタガログ語、またセブで話されるビサヤは、スペイン語の影響を強く受けている言葉が多いです。
そのためスペイン語に近い発音、スペイン人が話す英語に似た発音やイントネーションを聞くことができますよ。
またアメリカがフィリピンを統治していた時代があり、フィリピンで話される英語、教育される英語のベースはアメリカ英語となっています。
英語力が高いフィリピン人ほど、アメリカ英語に近い英語を話すのも大きな特徴ですね。
ここからは、フィリピンの英語を深掘りするために歴史的背景を見ていきます。
フィリピン英語の歴史的背景
フィリピン英語の歴史は、アメリカ合衆国の影響下に置かれた時代に遡ります。
1898年にスペインからアメリカに統治が移管された後、アメリカはフィリピンに英語教育を導入しました。
英語は行政、教育、商業など、フィリピン社会のあらゆる分野で広く使用され、特にアメリカ統治時代には、英語はフィリピン社会に大きな影響を与えました。
英語は、フィリピンの人々の生活様式、文化、思考様式に深く浸透し、フィリピンの人々は英語を学ぶことで、アメリカ文化に触れる機会を得ました。また英語を学ぶことで多くの仕事や教育の機会を得ることができたのも、フィリピン人の英語習得を大きく前進させました。
アメリカ統治が終了した後も、フィリピンでは英語教育が継続されました。
フィリピン政府は英語を公用語の一つとして位置づけ、英語教育を重視してきました。現在フィリピンでは小学校から英語教育が行われており、多くの学校で英語が授業に使用されています。
特に、大学では全て英語で行われプレゼンテーションも英語で行うというところも多く、大卒のフィリピン人の英語力はビジネスレベルに到達していることが非常に多いです。
フィリピン英語の文法の違い
フィリピン英語には、独特の文法の特徴があります。この特徴はアメリカ英語との違いを生み出し、フィリピン英語を特徴づける重要な要素となっています。
【文法の違いとは?】
フィリピン英語では、アメリカ英語とは異なる文法規則が使用されることがあります。
例えばフィリピン英語では、複数形を作る際に、名詞の最後に-sを付ける場合と、-esを付ける場合があります。また、フィリピン英語では、過去形を作る際に、動詞の最後に-edを付ける場合と、-dを付ける場合があります。
フィリピン英語の文法や発音の違いは、アメリカ英語とのコミュニケーションにおいて、誤解を生む可能性があります。
そのため、フィリピンにある語学学校の講師は、指導トレーニングを受ける際にこのような特徴をできるだけ排除し、世界で通じる英語を教えるためのスキルや知識を習得し直しています。
フィリピンの英語教育の現状
フィリピンにおける英語教育システム
フィリピンでは小学校から英語教育が行われており、多くの学校で英語が授業に使用されています。
実は英語力は大学進学や就職活動において重要な要素となっているため、英語教育が学生の将来の進路に大きな影響を与えているんです。
この英語教育の質の向上のため、フィリピンでは様々な取り組みが行われています。例えば、英語教師の研修プログラムが実施されたり、英語教材の開発や導入も積極的に行われています。
このようにフィリピンでは英語教育は、国民の生活に深く根ざしています。
英語はフィリピンの人々の生活様式、文化、思考様式に大きな影響を与えていることが分かりますね。
フィリピン人講師の質
フィリピン人講師は、ご存知のとおりネイティブに近い英語を話すことができるため、英語学習者にとって非常に有用です。
またフィリピン人講師は英語学習者のレベルに合わせて適切な指導を行ったり、英語学習者のモチベーションを高めるために自分で考えていろいろな工夫を凝らしています。
私が実際にフィリピンの語学学校で講師の採用活動を行っていたときは、応募してくる人の多くは教育学部や英語学部などで専門的に教育や英語指導について学んできた人でした。
大学選びの時点から、外国人向けの語学学校の講師になるために学部を選んでいる人もいて、英語講師という職業に対するモチベーションが高い学生が多いので、自然と講師の質も極めて上がってくるのです。
だからこそフィリピン人講師は、英語学習者にとって非常に頼りになる存在で、フィリピン人講師の指導を受けることで、英語学習者は英語力を効果的に向上させることができるのでしょう。
フィリピン人の英語力
実際にフィリピン人が、世界の国々と比べてどれくらいのレベルの英語力を持っているのか、少し見てみましょう。
データで見るフィリピン人の英語力
フィリピン人の英語力は多くの国際統計でも高評価を受けており、ビジネスの場でも活躍しています。
例えばEFEPI(英語能力指数)の2023年版データでは、フィリピンはアジア諸国の中でシンガポールに次ぐ第2位、世界の非英語圏20位の英語力を持つ国として評価されています。
日本人はこの英語能力指数において87位という結果なので、フィリピン人が日本人にとって尊敬すべき英語力を持っていることは疑いようもありません。
このようにフィリピン人の英語力は、世界的に見ても非常に高いレベルにあると言えます。
フィリピン人は英語を話すことに抵抗がなく、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢、フレンドリーな性格を持っていることも、英語力が高いと評価される要因です。
フィリピン英語の実際の活用法
では、日本人がフィリピンに英語の語学留学をした場合、フィリピンで学んだフィリピン英語をどのように活用していけばよいでしょうか。
フィリピン留学のメリット
フィリピンに留学することで、実践的な英語力を短期間で高めることができます。特にマンツーマンレッスンは、世界中のどの国でも得られない莫大なメリットです。
フィリピンでできる英語学習のメリットについて気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。
実際にフィリピン・セブでどんなレッスンが行われるのか?どんなメリットがあるのか?という点について、フィリピンに留学したことがない方でも分かりやすいようにまとめています。
フィリピンは英語教育の質が高く、費用も比較的安いため、英語学習者にとって魅力的な留学先です。
またネイティブに近い英語を話すことができるフィリピン人講師から、実践的な英語学習を受けることができます。
フィリピン留学では一人が英語を話す機会が圧倒的に多く、短期間でコスパ良く英語力を向上させることができるということですね。
フィリピン人は英語なしでは話せない?
フィリピンでは、ビジネスや日常生活の多くの場面で英語が使用されています。特に観光地や都市部では、英語が広く通じるため、英語を話すことに困ることはほとんどありません。
フィリピンではそのほかにも、教育、医療など様々な分野で英語が日常的に使用されています。
このように英語を使うケースがとても多く、母語のタガログ語も英語まじりで使う人が非常に多いです。
こちらの動画は、マニラでフィリピン人に「英語なしでタガログ語を話してみてください」というチャレンジを行ったもの。
日本人の「英語禁止ゲーム」に似ていますが、繋ぎ言葉の「So,」などを日常的に英語で言っているなど、フィリピン人の日常生活において英語は切っても切り離せないものになっているのが象徴的です。
フィリピンの英語教育機関
フィリピンには多くの英語教育機関があり、高品質な教育を受けることができます。フィリピンには、語学学校、大学、専門学校など、様々な英語教育機関があります。
特にセブの大学では、サンカルロス大学などを中心に、コロナ禍前の2018年ごろから現地の大学に正規入学する日本人学生が増えてきています。
フィリピンの大学は日本の大学よりも学費が安く、英語環境で学習に没頭できることから人気がどんどん高まってきています。
フィリピン大学入学準備としてフィリピン英語を学ぶことも、今後トレンドとなっていくかもしれません。
フィリピンで英語を学ばない方が良いのか?
最後に、よく聞かれる質問として「フィリピン英語のなまりは気にしなくて良いのか?」、「ネイティブから英語を教わる国の方が、留学先としては良いのか?」という疑問について解明しておきたいと思います。
結論から言えば、中上級者以外はフィリピン英語の訛りを気にして留学先を決めなくても良いです。
英語初心者の方は、ネイティブに近いフィリピン人の英語に最初は違いすら気づけないでしょう。
むしろ、フィリピン人も非ネイティブとして英語を学習して来た方々。私たち日本人と同じ目線で指導してくれるメリットがあります。
また、学校で使う教材の音源などはアメリカやカナダ、イギリスなどのネイティブの声を収録していますので、フィリピン英語だけに触れるわけではありません。
マンツーマンや価格の安さなどのメリットと総合的に比較した場合、フィリピンで英語を学ぶことのほうが初心者〜中級者にとってはメリットの方が大きいはずです。
セブ島留学のルナリアのnoteアカウントでは、この話をもう少し掘り下げて語っていますので、もし興味がある方はぜひご覧になって見てください。
note – ネイティブ講師とフィリピン人講師、どちらに教わるのが良いかよく聞かれます。
まとめ
フィリピン英語の特徴とその利用価値について理解することは、英語学習者にとって大いに役立ちます。
フィリピン英語は、アメリカ英語とは異なる独自の進化を遂げてきた英語で、発音や文法には特徴がありますが、コミュニケーション能力が高く、慣れれば理解しやすい英語です。
フィリピンに留学する際はフィリピン英語の利点をうまく活用して、効果的に英語力を向上させましょう。