セブ島に留学する場合、渡航前に必ず知っておきたいのがセブ島があるフィリピンの文化です。
日本人が日本で外国の方の文化の違いに戸惑うように、フィリピンの現地の文化を知らないと現地の人々を困惑させたりトラブルに発展する恐れがあるのです。
今回はセブ島留学生が迷わないために、知っておくべきフィリピンのユニークな文化について、日本の文化との違いも交えながら徹底解説します。
特徴的なフィリピン文化について
ここでは、まず最初に初歩的なフィリピン独特の文化について見ていきます。普段の生活に根付いた日本にはない特徴が見えてくると思いますよ。
フィリピンは家族中心
フィリピンは家族を非常に大切にする文化があります。3世代くらいの多世代が同居していることも極めて一般的で、親族との絆がとても強いです。
特に「Bayanihan(バヤニハン)」という相互扶助の精神が根強く、困った時には家族や隣人と助け合いながら生きていくのが当たり前なのです。
日本では、近年は核家族が一般的であり、特に都市部では親と離れて暮らす人がとても多いです。一方フィリピンでは、先ほども述べたように親族の結びつきが強く、家族の行事やイベントが頻繁に行われます。
家族の誕生日を盛大に祝うフィリピン人の様子が、SNSでも見られるはずですよ。
またフィリピン人の間では子が親を助け、養うことも一般的です。そのため、大学生くらいの子どもが実家に仕送りをしたり、兄弟の学費を稼いでいることも珍しくありません。
こうしてみると、親に助けてもらう一方通行が一般的になっている日本とは大きな違いですね。
フレンドリーで社交的な性格
フィリピン人は非常にフレンドリーで社交的です。初対面の人に対しても笑顔で接し、気さくに話しかけてくれます。道を聞いたり、困ったことがあったりした時には、気軽に助けてくれるでしょう。
フィリピンは1565年から300年にも及ぶスペインの植民地時代、またその後の数十年のアメリカによる植民地時代を過ごし、欧米的な文化が非常に色濃く根付く国です。
欧米人の血が混じる人がたくさんいて、言語にもスペイン語や英語の影響を受けるものが多いほどで、アジアの中でも文化的に多彩な歴史を持つ国がフィリピンなのです。
そのため、性格的にも欧米人のように陽気でフランクな部分が文化的に受け継がれているのかもしれませんね。
日本人を惑わす「フィリピンタイム」
フィリピンでは「フィリピンタイム」という概念があります。これはイメージできるかもしれませんが、約束の時間にあまり厳格ではなく、多少の遅れは許容されるという文化です。
セブ島も含め、フィリピンの人々は時間に対してかなりリラックスした考え方を持っており、厳密な時間通りに動くことはあまり期待されません。
フィリピン人と待ち合わせをする場合は、30分〜1時間待たされることもあるので(人によりますが…)、ある程度覚悟しておく必要ありますね。
宗教の影響
フィリピンはカトリック教徒が多い国です。日常生活や文化にも宗教の影響が色濃く反映されています。
日曜日のミサや宗教行事には多くの人が参加し、教会に足しげく通う人も多く、宗教的な価値観が生活の中で大きな役割を果たしています。
また、お祭り事が大好きなフィリピン人は、幼い頃のキリスト像があちこちに見られるフィリピン最大の祭典「Sinulog(シヌログ)」やクリスマスは盛大にお祝いします。
特にクリスマスは、約半年前の6〜7月ごろからカウントダウンをしていることも…。
日本では宗教が日常生活に与える影響は比較的少なく、お祭り事以外で宗教行事に参加する人も限られています。
宗教そのものへの興味を持つかどうかは個人の信仰の自由におまかせしますが、フィリピンに滞在することは「宗教が人の生活に与える影響について考える」良い機会になるはずです。
食文化
フィリピン料理はスペインやアメリカ、中国などの影響を受けた多様な料理があります。
特に「レチョン」(丸焼き豚)や「アドボ」(肉の煮込み料理)が有名ですね。
ハロハロも、日本では某コンビニがスイーツを出して有名になりましたが、実はフィリピンの食べ物です。
またフィリピンでは米を主食とし、豚肉、鶏肉を多く使った料理が特徴です。
特にセブ島では、フライドチキンのお店が近年非常に多く、チキン・ご飯食べ放題のお店がセブ島に人たちは大好きです。
日本料理も米が中心で似ている部分がありますが、フィリピン料理は味付けが濃く、甘辛い味が特徴であり、日本人は少し違和感を覚えることがあるかもしれません。
セブ島の食事については、詳しく解説した記事があるのでそちらもご覧になってみてください。
セブ島留学生活のための文化豆知識
ここまでは基本的なフィリピン文化について解説してきましたが、ここからは知っていると得するフィリピン文化の豆知識について解説していきます。
セブアノを操る者が留学を制す?
フィリピンは英語が公用語の一つとなっており、英語でのコミュニケーションが可能です。また、首都のマニラを中心としたタガログ語もコミュニケーションに非常に有効な言語です。
しかし現地の方言である「Visaya(ビサヤ、Cebuano=セブアノ)」も少しでも良いので覚えておくと、現地の人々とのコミュニケーションがより円滑になります。
セブ島に住む人々は多くがビサヤ地方の出身で、公用語のタガログ語とは結構異なる言語を使います。
実は人によっては、「タガログ語で話しかけられると上手く話せるか不安で緊張するの!」というくらい、日常会話のための言語としてタガログ語がメジャーでない地域なのです。
もし機会があれば、セブ島の人たちが話すビサヤを覚えて挨拶などできるようになると、話題のタネになるのでとってもオススメです!
マナーとエチケット
フィリピンでは敬意を示すために「ポ」と「オポ」を使います。これは英語の「sir」や「ma’am」に相当する丁寧な表現で、語尾に付けて話します。
また、普段の生活で日本人が目にすることはあまりありませんが、目上の人には尊敬の意を込めて「mano」(手にキスをする仕草)を行うことがあります。
日本人の皆さんが真似する必要はありませんが、相手が敬意を持って接してくれているということを理解しておくと、お互いのコミュニケーションにも配慮が生まれるはずです。
自分の身は自分で守る文化
フィリピンの一部地域では治安が不安定なこともありますが、セブ島は比較的安全な地域です。ただし、スリや詐欺には注意が必要です。貴重品は常にきちんと管理し、夜間の一人歩きは特に避けるようにしましょう。
ローカルに溶け込むような生活に慣れてくると油断しがちですが、相手は見た目で外国人と判断するため、標的になりやすいということは常に意識してください。
治安についてのお話やセブ島の実際の犯罪事例などについては、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
食事と健康管理
フィリピン料理は美味しいですが、慣れないうちは胃腸のトラブルに注意が必要です。水道水は絶対に飲まない方が良いですし、食べ物も常に衛生状態に気を付けましょう。
フィリピンを含め東南アジアは、屋台の文化が非常に発展しています。
こんな感じで、街中で焼き物や揚げ物を売っていてその場で座って食べることができる場所もたくさんあります。
しかし、こうしたお店は長時間暑い場所に食品を置いていたりするため、よほどお腹に自信がある方でない限りは飲食をオススメしません。
そのほか、生の野菜やフルーツも水道水で洗浄しているとお腹を壊すことがあります。
フィリピンに到着してから1週間くらいは、現地の食べ物にお腹を慣れさせる意味でも、語学学校での食事以外の外食は極力控えることをオススメしますよ。
まとめ
セブ島での留学生活は、日本とは大きく異なるフィリピンの独特な文化を理解し、適応することでより豊かな経験となります。
日本との文化の違いを理解し、柔軟な姿勢でフィリピンの文化に触れることでセブ島留学がより有意義なものになり、学びと成長の機会がさらに広がるでしょう。
今回はフィリピンの社会としての文化を解説しましたが、文化を踏まえた上でのフィリピン人との関わり方にもちょっとしたコツがたくさんあります。
興味がある方はこちらもぜひご覧くださいね。