セブ島は観光地として知られていますが、いくつかの理由から、「もう行かない!」と決める人も多いです。
本記事ではその理由について、実際にセブに10回渡航し1年以上滞在した私が独自の観点から詳しく解説をします。
セブ島にもう行かないと言われる理由
まずは、セブにもう行きたくないと言う人がいる理由について掘り下げていきます。
治安と犯罪リスク
ここでは、セブに行かないと言われる理由の一つである治安、またセブ島で報告されている主な犯罪について紹介します。
セブ島は、穏やかなリゾート地として知られていますが、やはり観光客に対する犯罪はちらほら発生しています。特にスリや置き引き、強盗などの犯罪が頻繁に発生しており、注意が必要です。
セブ島で発生している主な犯罪には、以下のようなものがあります。
【スリ】
特に観光客が集まるエリアや、ジプニー、バスなどの交通機関内では、スリに注意が必要です。貴重品は常に自分の視界に置いておき、人混みの中や夜間はバッグのファスナーが閉まっているかどうかなど確認して、特に十分注意しましょう。
私がセブに滞在している時も、生徒さんでスマートフォンのスリの被害に遭った方が5名はいらっしゃいました。その多くが、ハメを外して遊んでいたときなど、注意力が散漫になっていたところを狙われています。
【置き引き】
レストランやカフェ、ビーチなどでは、貴重品を置きっぱなしにしないように注意が必要です。特に、バッグや財布は常に自分のそばに置いておくようにしましょう。日本とは違い、「置いてあるものは取られるかもしれない」という認識が必要です。
【強盗】
夜間の一人歩きや人通りの少ない場所での歩行は危険です。特に、リゾート地だからと舞い上がって、高価なアクセサリーを身につけないたり現金を見える形で持ち歩かないように注意しましょう。
また、知り合いの方ではバイクが目の前を通る際にスマートフォンやバッグをひったくって行った、とのことで、損失だけでなく大きな事故につながる可能性がある手口も見られるので注意してください。
【詐欺】
観光客をターゲットとした巧妙な詐欺も発生しています。特に、タクシーやツアーの料金交渉では、事前に料金やメーターの稼働を確認し、ぼったくりに遭わないように注意が必要です。
セブ島で安全に過ごすための治安情報、またセブ島で実際に起きた犯罪の事例などについては、以下の記事にまとめています。
物価と費用の上昇
現地に滞在している間の費用も、旅行や留学でセブを訪れた満足度に大きな影響を与えます。
セブ島の物価がコロナ後は特に上昇しており、費用が高くなっている点について詳しく解説します。
セブ島はかつては物価が安く、旅行や留学がしやすい場所として知られていましたが、近年は物価が上昇し、旅行費用が高くなっています。
2024年は比較的物価の上昇が落ち着いたようですが、2022年から2023年はこれまでの倍くらいの物価上昇率となっていました。
これは、フィリピン統計局が出している年毎の物価上昇率(単位は%)。2024年は6月までの集計となっています。
知り合いのフィリピン人は「体感で1.5倍くらいの価格になっているものがたくさんある」と話していました。
それに合わせて語学学校の人件費も上がっている関係で、セブ島の語学学校の学費も毎年5%~10%程度上がり続けているのが現在のトレンドです。
私たち日本人目線では特に、宿泊費・飲食費・交通費などの費用も上昇しており、以前のようにべらぼうに安く渡航・滞在することは難しくなっています。
セブ島の物価上昇は、以下の要因が考えられます。
観光客の増加:セブを訪れる観光客が増加し、需要と供給のバランスが崩れていることが考えられる
物価上昇:フィリピン全体の物価上昇が影響
為替変動:円安が進んでしまうことも、日本人にとっての旅費が高くなる要因
私たちは直近では2024年初め頃にセブ島に視察で訪れましたが、確かにコロナ前と比べても、コンビニやスーパー、レストランの価格などがじわじわ上がっている感じがしました。
加えて留学生にとっては、セブ島の語学学校に入学する際に必要なSSP(就学許可証)の値上げも少し痛いところです。
詳細は以下のnote記事に書いていますが、8,000円前後の費用が追加でかかることになっています。
交通事情の問題
セブ島の交通環境が悪く、安全性に欠ける点があります。特に日本と比べて交通ルールが守られていないことが多く、事故が発生しやすい状況です。
セブ島の交通事情の悪さには、以下の要因が考えられます。
交通ルールの不遵守:多くのドライバーが交通ルールを無視して運転し、信号無視や速度超過などが頻繁に見られます。
車両の整備不良:古い車両や整備不良の車両が多く、安全性が低いことが懸念されます。
道路の整備不良:道路が荒れている場所も多く、走行中に揺れるため乗り心地が悪く、安全面でも不安があります。
交通量の多さ:セブ島は観光客が多く交通量も多いことから、渋滞が発生しやすい状況です。
セブ島の交通事情は、観光客や留学生にとって大きなストレスとなる可能性があります。
特に日本のきれいな道路や極めて正確な交通ルールの遵守意識などは、フィリピンとは大きく異なるものです。
そのため、こうした点に嫌気がさしてしまう方がいることは事実です。
飲料水と食事の問題
セブ島の飲料水と食事の問題について、日本人の観光客や留学生が不便だと感じる点を見ていきます。
セブ島の飲料水は、水道水は飲用不可です。水道水は、塩素消毒されている場合もありますが、衛生面が不安なため、飲用は避けるべきです。ミネラルウォーターは、コンビニやスーパーマーケットなどで購入できます。
ただし覚えておいて欲しいのは、水道水が飲める国の方が圧倒的に少ないということです。
これはフィリピンだけが問題というより、日本が優れた水環境を持っているという認識の方が正しいような気がします。
セブ島の食事は、衛生面で注意が必要です。屋台や露店で食事をする場合は、衛生状態が良くない場合もあるため、注意が必要です。特に、生ものや氷は避けるべきです。また、食事前に手を洗うなど、衛生面に気を配ることが重要です。
セブ島の衛生面については、具体的な事例や対策を含めてまとめた記事がありますので、こちらもぜひ見てみてください。
1回行っても「セブにまた行くべき」な理由
ここまでセブ島に「もう行かない!」と思っている方がいる主な理由を挙げてきましたが、それでもセブに何度でも行くべき理由があります。
そこで、セブ島行きをあきらめてしまう前に必ず見てほしい、「セブに行くべき理由」を解説します。
01
フィリピン人は相変わらずフレンドリー
フィリピン人の性格は、物価が上がっても変わりません。
セブ島に渡航して一度でも「フィリピン人っていい人が多いなあ」と思った方は、デメリットを気にしすぎず、ぜひもう一回渡航してみてください。
コロナ禍の間にセブ島は強烈な台風の被害に見舞われるなど、厳しい期間もありました。しかし、フィリピン人の楽観的でフレンドリーな性格が、以前と変わらない穏やかなセブ島の復興に大きく影響を与えました。
日々の忙しい生活やストレスのかかる仕事に追われている方は、ぜひセブ島で心も体もリフレッシュしていただきたいものです。
02
物価上昇は落ち着いてきている
コロナ直後のフィリピンは6%前後の強烈な物価上昇率となり、賃金との差から貧困に悩む人も出ました。
しかし、2024年に入ってからは物価上昇率は3%台に落ち着きつつあります。
直近のフィリピンの物価上昇率を見てみると、2023年9月に6.1%をピークに緩やかに下降し、現在は落ち着いているのがわかるかと思います。
円安も相まって「費用の高さ」を必要以上に気にしている方もいらっしゃるかもしれませんが、まだまだ日本よりも安くお得にリゾート気分が味わえる国です。
03
留学は他の国より全然安くてコスパがいい
費用を抑えてしっかり英語力を上げる留学をしたい!と思っている方にとっては、セブ島はまだまだ安くて効果が高い、いわゆるコスパの良い留学先です。
欧米の語学学校は円安によって値段が上がってしまい、なかなか手が出しづらくなっています。
しかしセブ島はまだ4週間で20万円以下の予算でも、学費や滞在費をまかなえるような魅力的な留学プランがたくさんあります。
そう考えると、フィリピンの物価の上昇などはありますがまだまだセブ島も有力な語学留学先です。
まとめ:セブ島に行くか行かないか?
セブ島のメリットとデメリットを再度振り返り、最終的に旅行や留学での渡航を決める際の参考にしていただけたらと思います。
セブ島は、美しいビーチや自然に恵まれた魅力的な観光地ですが、当然ながら治安衛生面、物価の上昇など、課題も存在します。
セブ島旅行やセブ島留学を検討する際には、メリットとデメリットを比較検討し、自分に合った結論を導き出すことが最も重要です。